雑記帳。

色々書いていく

ハイライト

僕は喫煙者だ。最近の世の中は嫌煙の潮流があって少し肩身が狭いが、実際副流煙は非常に健康を害するから仕方ないことだろう。まあとにかく、今回は喫煙の害やらたばこ条例やらの社会的な話がしたくてこの記事を書いている訳ではないので、その辺のことについては触れない。

 

僕の一番頻繁に吸っている銘柄は断トツでハイライトだ。JT日本たばこ産業)の生産する純国産の煙草で、1960年の発売以来今日まで長く愛されている日本を代表する銘柄である。僕は現在、1日だいたい7~10本ほど吸うので、2、3日に1箱くらいのペースで買っている。値段は20本入りの1箱で420円。タール17mg、ニコチン1.4mgで、現在コンビニで売っている煙草の中では重い部類に入ると言えよう。

ハイライトという名前は、hi-liteと綴る。「もっと陽の当たる場所」という意味らしい。発売された1960年は、4年前の1956年には経済白書に「もはや戦後ではない」と記された高度経済成長の真っ只中にあり、そうした世相を反映した名前であることが窺い知れる。

最近よくある煙草の箱のタイプは、いわゆるボックスタイプとか呼ばれるものだ。セブンスターの箱なんかが典型だろう。箱の上部に蓋がついていて、そこをパカッと開く方式だ。何本か吸った後だと、この箱の中にライターを入れておくことが可能なので便利である。しかしハイライトの箱は、今時少し珍しいソフトタイプだ。ボックスタイプのような厚紙ではなく、普通の柔らかい紙で出来ている。このタイプの箱は、上の銀紙の真ん中を横断するような形でオビがついていて、そのオビで分けられているどちらかの銀紙の折り目がついた部分をビリビリ破いて開ける。よく言われるのは、銀紙の折り目が「人」の形(つまり左の紙が上)ではなく、「入」の形(右の紙が上)になっている側を開けるというものだ。元々は水商売の世界に存在していたやり方のようで、「人」を破くのは失礼だからという理由らしい。こじつけかも知れないが縁起がいいので、僕もそれに倣っていつも「入」の側を破くようにしている。
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手元にあったハイライトを撮影。右が「入」で、左が「人」の形になっているのがお分かりいただけるだろうか


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そして、この箱のデザイン。まさしくシンプルイズベスト。昭和の香り漂う、何とも渋くて格好いいものではあるまいか。俗にハイライトブルーなどと呼ばれる色彩で、新幹線の色を決めかねていた国鉄の職員が、会議室でハイライトの箱を見てこの色にしたという逸話もある。ちなみに、デザインは『三谷幸喜のありふれた生活』のイラスト等で知られる和田誠である。僕はこの箱のデザインが大好きで、以前絵に描いたこともあるぐらいだ。僕が海に憧れていたというのも、この青色に惹かれた理由かも知れない。このへんの煙草の箱デザインの話については、また今度詳しく書きたいと思っている。

 

と、ここまで箱の話を延々としてきたが、やはり一番の問題は味である。どんなに綺麗な箱の煙草でも、肝心の味がまずければデザインで感じた喜びは雲散霧消だ。以前アメリカンスピリットを買ったとき、箱に描かれたネイティブアメリカンの絵を見て「中々どうしてハイカラな雰囲気でいいじゃないか」なんて思ったが、どうも味の方は、少なくとも僕は好きになれなかった(アメスピが好きな方を否定するつもりは一切ありません。単に僕個人が苦手な味だったというだけです)。煙草の味も人によって色々好き嫌いがあるから、煙草を吸おうかなと考えている方は、まずコンビニで売っているものを幾つか適当に吸ってみるといい。

話を戻す。さてハイライトの味だが、(僕個人としては)コンビニの煙草ではやっぱり一番美味しく感じられて大好きだ。高度経済成長期に最も売れた煙草の名は伊達ではない。

ハイライトに火をつけてゆっくり吸い込む。鼻と口に拡がる独特の芳醇な香りは、ラム酒でつけられているものだ。これが非常にいい味を出している。ふわりと漂う甘味と、仄かな酸味(これがもしガツンと感じられたら吸い込む勢いが強すぎる証なのでもう少しゆっくり吸い込もう)に、自然と頬が綻ぶ。基本いつ吸っても美味いのだが、特にお酒を飲みながら吸うともう堪らない。同じく僕の好きなビールをぐびりと一口、そしてハイライトを吸い込む。至高だ。喫煙者の読者諸兄、ハイライトを是非ともお試しあれ。